どもども。
これまで3回にわたってサンゴなんなのさ?について書いてきましたが、正直言ってこれからホビーアクアリウムを始めていこうとしている方々にはあまり重要な知識ではなかったりもします。(^^;)
もちろん知っているほうが趣味としての幅が広がるという意味では大切な知識ではありますが、これらはあくまで学術上の分類であり、実はホビーアクアリウムの世界ではそれと異なる分類がなされてる場合があり、どちらかといえばそちらの方が必要だったりするんです。←もちろん、被る場合もあります。
では今回はそんな趣味としてのアクアリウムにおいての分類について触れてみましょう。
さて、
ホビ-アクアリウムの世界ではサンゴのことを大まかに以下の4つに分けて分類しています。
ハードコーラルとソフトコーラル好日性と陰日性SPSとLPS浅場と深場・ハードコーラルとソフトコーラルこれは固い石灰質の骨格をもつサンゴと持たないサンゴという意味で分けられています。
例えばミドリイシがハードコーラル、トゲトサカがソフトコーラルといった感じです。
ミドリイシ ハードコーラル
トゲトサカ ソフトコーラル正確にはソフトコーラルに分類されているサンゴの中にも骨片と呼ばれる軟骨状のものが存在している種もいますが、ざっくりと分けられてます。
サンゴが死んだときにハードコーラルは石灰質の骨格が残り、ソフトコーラルは溶けてその場に何も残らないのも特徴的です。
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好日性と陰日性光合成を行っている種とそうでない種です。
サンゴには有藻性とそうでないのが存在します。
好日性のサンゴは有藻性で、褐虫藻という藻類と共生することで、栄養を摂取して生きています。
昼間は褐虫藻が光合成により作り出したエネルギーをサンゴが利用し、サンゴは光合成の結果発生する老廃物と住処を褐虫藻に提供することで共生関係が成り立っています。
陰日性のサンゴは有藻性サンゴ以外の光合成を行わないタイプのサンゴです。
光合成を行わないので補食によってエネルギーを得る必要があり、水流に乗って流れてくるプランクトンなどを捕らえて生きています。
その結果として水流を受けやすい扇形になったり、好日性サンゴよりもポリプを大きく発達させて捕食しやすい状態になっています。
ヤギの仲間 陰日性サンゴ(好日性の種もいます)
キサンゴ 同じく陰日性 プランクトンを補食しやすい大きなポリプですね~・
SPSとLPSポリプが小さいサンゴをSPS、ポリプが大きいサンゴをLPSといいます。
SPSはSmall polyped stony coralの略で、LPSはLarge polyped stony coralの略になります。
ただ、この分類には明確な線引きは存在しておらず、あくまでもその人の主観で決まっているようなところもあります(;´・ω・)
SPS ポリプが小さく密集していますね。
LPS ポリプひとつひとつがSPSに比べて明らかに大きいですねぇ
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浅場と深場これも文字通りサンゴが生息している深度の事をいいます。
この分類の対象は主にSPS、特にミドリイシに対してよく使われていると思います。
じゃあそれぞれどれくらいなの?って話しなんですが、浅場だとひざ下くらい、極端な例では拳一つ分程度の場所でも生きています。
もちろん、干潮の際には空気中に露出することもあります。

あくまでも主観ですが、水深3m~6m程度が浅場サンゴになるのかな?って思っています。
んで、深場なのですが、これまた主観ですが、10m~30mくらいのところだと勝手に想像しています。
この辺りは海水の透明度だったり日照条件にも左右されるのでこれまた曖昧な線引きに。。。
深場のミドリイシは浅場のミドリイシと違ってかなり個性的な形をしています。
浅場ミドリイシは全体的にゴツゴツしているのが多いうえに形態もテーブル型や鹿角型など非常にバラエティーに富んだ種が多いのに対し、深場ミドリイシは全体的につるっとした感じで、形態もテーブル型が圧倒的に多くなっています。
これは光の弱い推進少しでも多くの光を受けるためにこのような形態になったのかと思っていますが
いかがでしょうか?
あと浅場と違って強い波当たりがないことから繊細な形態でも生きていけるのではと考えています。
私はあまり深場のサンゴはくわしくないんでもっと勉強したいと思います(;´・ω・)
浅場ミドリイシ 主軸ポリプと放射ポリプでゴツゴツした形態です。
深場ミドリイシ 放射ポリプは殆どなく、全体的にツルリとした印象です。
あ、これはミドリイシに関していえばですので、それ以外のサンゴ種であればその限りではありません。
宝石サンゴはなんと水深200mにも生息しているというから驚きです!
以上がホビーアクアリウムでのサンゴ分類になります。←とっても大まかな説明ですが(^^;)
で、この分類がどういう参考になるかといいますと、
サンゴを飼育するうえで同じ環境に近い種類でまとめる方が断然飼育しやすいからです。
例えば、浅場ミサンゴと深場サンゴを飼育するだとか、好日性サンゴと陰日性サンゴを一緒に飼育しようとした場合、
格段に飼育難易度が上がります。(;^ω^)
前者の場合、褐虫藻が喜びそうな強い光は深場サンゴにはダメージを与えることがありますし、また逆に弱い光では好日性のサンゴにとっては充分な光合成が期待できません。
後者の場合は陰日性のサンゴを飼育する場合、給餌が必要不可欠になりますが、別のサンゴ種にとっては残餌から発生する栄養塩によって弱らせてしまう事があります。
かといって給餌をおろそかにすると陰日性のサンゴが痩せて弱るという。。。
しかし、私も含め
初心者の時にはあれも入れたい!これもいいなあ♪と入れてしまう事が発生しがちです(^^;)
当然このような物欲に任せた飼育をしているといつか破綻する日を迎えることに(;゚Д゚)
もちろん、両立が不可能という訳ではありませんがこれを両立させるには
豊富な水量&スペースと確かな観察眼が必要になってきます。
世界各国からサンゴ達は輸入されてくる今日この頃、どれがどんな生息環境だったか正確に知ることなどは難しいのが現実です。
ですのでこのあたりの違いを知る事で購入するするサンゴの線引きになるといいなあ・・・と思っています。